便秘について
便秘には実は色々な種類があります。薬の多用による薬剤性便秘、その時の体調(脱水など)による急性便秘、腸の形による器質性便秘、そして最も多い「慢性便秘」があります。慢性便秘でも3種類あり、大腸がたるんで力を失った「弛緩性便秘」は高齢者が多いです。ストレスにより大腸が痙攣を起こす「痙攣性便秘」は痙攣により大腸の動きがなくなり便が進んで行かないものです。便秘と下痢を繰り返すこともあります。最後に「直腸型便秘」があります。便秘薬の使い過ぎにより直腸(肛門のすぐ上)に便があるにも関わらず、脳に信号が行かないため便意が起こらないことです。
よく、食物繊維を摂れば便秘が改善されると言いますが、原因により効果がない場合もあります。例えば腸の動きが悪い弛緩性便秘の場合、ゴボウなどの強度な食物繊維を摂りすぎるとかえって便が膨らみすぎて詰まり気味になってしまいます。
そこで、自分の出来る対策です。腹筋が弱く便が進みにくい弛緩性便秘の場合は歩行などの運動と腹式呼吸です。方法は座ってもあおむけでもかまいません、おへその動きを意識して息を吸い込むときにお腹を膨らます。吐くときにお腹を凹ませる。これを数10回ゆっくり繰り返しましょう。早ければ数週間で効果が出てきます。いきみやすくなることもあります。
直腸型便秘の場合は、洋式便座(無ければ椅子)に腰かけて片側の座骨(座っていて椅子の下側に当たる腰骨)を少し浮かせます。次は反対側を浮かせます。それを交互に繰り返します。座ったまま歩いているイメージです。これを毎朝10回から20回、出来れば毎日同じ時間しましょう。
痙攣性便秘はストレス解消をめざして軽度な運動などを行いましょう。
どの便秘か判断が難しい場合や長引く場合、医師や鍼灸師に相談しましょう。